The56 その2 レビュー

日時: 2022年9月3日(土) 13:30~15:30

参加者 9名

 

話題①:「音との付き合い70年 ①NHKに入るまで」 JASジャーナル Vo.56,No.5 (2016) 

pp.9~10より

『私は九州大学で特別研究生の定員に1名の余裕があるとの情報を頼りに数年前明治専門学校在学中に音響学の講義を受けた九州大学の森兵吾教授に手紙を認め、先生の研究室に特別研究生として採用していただけないかの打診を行った。目的は先生の下で音響の研究をしたいこと、東京での下宿生活に健康が保てない、九大ならば生家からの通学が可能であることを申し上げた。先生は私の明専時代のことを思い出してくださった。貴君が本気で花形の電波の研究を止めて音波に梶を切る気なら、引き受けてもよいとの暖かい決定をして戴いた。私の東工大における学生生活は八木秀次学長の「音響科学」の著書に始まり、森兵吾教授の特別研究生になることで締めくくった。』 

<キーワード>・電波と音波

​以下参加者のコメント

Tさん;電波と音波の一番の違いは、音波は空気がないと伝わらないが電波は真空中でも伝わる。

Wさん;学問としてスピーカを教えても良いのでは。(音響の)原理は紹介されているが、スピーカそのものは教えていない。スピーカの専門家の皆さんはスピーカのことをどの様にして勉強したのか? スピーカの道を選んだ理由?

Oさん;場所による空気の状態の違いでスピーカの音は変わるのか? Mさん; 温度、気圧 伝搬速度が変わり音も変わる

Oさん;日本のスピーカを海外に持って行くと音は変わるのか?  Mさん;変わる。

Tさん;SPの音を耳で聞いているが、何を聞いているのか?波は圧力が変わる コーン変化 間接的に圧力が変わる。

Cさん;スピーカは空気を素直にゆすっていて、歪率は1%以下。 かなり忠実に音の信号を再生していて、音楽を十分楽しめる。完成度が高いと思う。 人の(聴覚)はデータ以外のものを聞いているのでは。 経験上、スピーカにひずみの大小があっても、音を聴いた場合には、聴感上はちょっと音が違うかなという程度にしか感じない。人の感覚はひずみの大小では質(音質)をつかまえていないように思う。

Tさん;スピーカはシンプルな仕組みで音を作り出している。一方、耳は広い周波数の音を感じて(情報を、信号を)脳に送り込む複雑な仕組みをしかもリアルタイムで働かせている。

脳はスピーカで聞いた音を補っているのでは。聴覚を上手く刺激する道具がスピーカの様に思える。

Mさん;中島さんは仕事の道を電波か音波かどちらに選ぶかが、スタートだったのでは。

ここで電波か音波かを技術的に比較することは、中島さんの選択の目的が違うと思う。

Kさん;中島さんは諏訪内さんバイオリンに感動し、自分の進む道が音の世界にあることを感じた。

話題②:同上 

p.14より

『基本計画は施主の長男石橋幹一郎氏(ブリジストン㈱副社長当時、中学明善校での私の1年先輩)、建築設計の菊竹清訓氏(久留米出身、建築家、私の家内の遠戚)と音響設計担当の私の3人が実行推進を担当することとなった。私達は「響きは多目的ホールの2割増」、「一次反射音は全席に」を3人に共通の実行計画に設定した。それを実現するために音がダブって聞えたり、音がよどまないよう内装設計に意を用い、特に天井や側壁に使う反射板の設定方向に苦労があった。』

 

<キーワード>・一次反射音と響き

以下参加者のコメント

Tさん;ホールの録音の経験では、お客の入り具合で響きが大きく違う。また聴く位置でも大きく違う。ホールの設計では何を基準としているのだろうか?

Kさん;客の有無で音が違う原因は人の体が吸音体として働くから。客の有無での音の変化を少なくするために椅子の設計に工夫している。人の体の陰になる部分は柔らかく吸音性を持たせ、陰から外に出る部分は(硬く)反射性をもたせていることにより、人体の影響による音響特性差を少なくする工夫がされている。

演奏家は人の有無でホールの響きが変わることは体験して (理解して)いて、それを加味しながらリハーサルを行うとのこと。

音響設計では、席による音の差については音量が変わらないように設計している。

席によらず音量が±3dBの範囲に入るように設計している。しかし音質に関しては決めていない。

逆に、自分の好きな席があってもよいのでは。

サントリーホールでカレラ―スの歌声が、前から20列目と5列目で全く違って聞こえたことがある。

Tさん;演奏者はステージ上の自分の位置によって音が変わるので、演奏位置を気にする。

Kさん; 演奏者は反射音を聴いている。

    音響設計上、客席の人数は満席を基準とする。

    多目的ホールと音楽専用ホールがあり、なかには残響付加装置なども使っているところがある。

    多目的ホールは一般に残響は短く、出し物に合わせて舞台上の反射板で音響を調整する。

    スピーカを使って音響を調整する方法もあった。

Mさん;大賀ホールではスピーカを補助的に使っている。演奏プログラムも幅広いので。必要に応じて使うことがある。

Tさん;オーケストラの音は作曲家の考えている音か?  ~ 指揮者が音を決めている。

Mさん;楽譜にはホールを指定していない。

Cさん;作曲家が意図した音が演奏されているか? 昔はパトロンの聴く響きに合わせていた(好みの音を出していた?)そうだが、その後、指揮者が主導権をもっているように思う。

一般のオーディオのリスニング環境はホールの音響と違い、基本的にリスニングルームの 所有者の好みで決めて良く、なんでもありと考える。

Mさん;生の演奏を聴く会場の反射音、オーディオ録音スタジオの反射音、そして個人の部屋の反射状態はみな異なる。

どういう音源を選ぶかでも音響が大きく異なる。

ホールトーンを楽しみたい時はワンポイント録音的なものが良い。

マルチマイクは良さもあるが複雑なシステムのため副作用がある。例えば ベルリンフィルを多数のマイクで収録しミキシングした音は、ホールで直接演奏を聴いた場合の音と違う。反射音を自分がどう選ぶかは、最終的に自分が気持ちが良ければよいのでは。

Tさん;録音では位置による音の差が明白だが、ステージ際とホール後方の音を混ぜると聞きやすい音になる。

コンサート録音では、聞く位置(客席)を選べると面白いのでは。

Cさん;穴澤さんの残響付加装置の効果はリアリティが増す。付加音だけでは音が出ているかどうか分からないくらい間接音のレベルが小さいが、その効果は大きい。穴澤方式はスピーカを選ばなくてもいい音が楽しめるように感じた。

Tさん;マルチチャンネルのDACを利用してPCソフトで残響付加の検討ができないか?

Mさん;最近T氏宅のMFBスピーカを試聴したが部屋の音響特性の良さを感じた。 

自分は、オーディオを楽しむには専用のリスニングルームではなく、雑然とした部屋で生活が感じられる方を好む。

部屋の第一次反射の音には壁の材質や構造の影響がリアルに出ると思う。 ホームも壁際で聴くと壁の材質の音 共振か材質か 研究の余地がある 

Tさん;NHラボセミナーで、オンライン前提で各自のリスニングルームを紹介するのはどうか?

   ハイエンドオーディオにとは違う「お手軽なオーディオ」にいい名づけはできないか?

  例えばアフォーダブルオーディオとか。最近入手したラジカセでもFENを結構いい音で楽しんでいる。

​以上

​今後のこん