今まで開催されたセミナーの概要

第1回から44回までのテーマ、開催日、講演者一覧です(敬称略)

第1回 「スピーカを吊る」 2014.6.2

            スピーカのセッティング  茶谷郁夫(NHラボ)、瓜生勝(NHラボ)

            スピーカの作る音場  中島平太郎(NHラボ)

第2回 「スピーカの中を覗く」 2014.7.7

            スピーカの内側と外側の音 中島平太郎(NHラボ)

            キャビネット内部の音と振動 茶谷郁夫(NHラボ)

            温度と漏れ音  瓜生勝(NHラボ) 茶谷郁夫(NHラボ)

            スピーカの内と外を覗いて  中島平太郎(NHラボ)

第3回 「エージング」 2014.9.10

            スピーカ商品時の体験  中島平太郎(NHラボ)

            スピーカシステムのエージング  茶谷郁夫(NHラボ)

            音楽/振動の利用  瓜生勝(NHラボ)

第4回 「スピーカとアンプの相性」 2014.10.9

            1960年代の半導体事情 中島平太郎(NHラボ)

            デジタルアンプの特徴 山口(第一通信工業)

第5回 「響きを探る」 2014.12.1

            室内音響~設計と測定の事例 風間道子(NHラボ)

            拡散ボードと音質 茶谷郁夫(NHラボ)

            響きを探る  中島平太郎(NHラボ)

第6回 「デジタルを探る」 2015.1.14

            デジタルの夢   中島平太郎(NHラボ)

            ハイレゾを楽しむ  茶谷郁夫(NHラボ)

第7回   「キーパーツを見直す」 2015.3.4

            見直すものさし  中島平太郎(NHラボ)

            振動板 材料と形状  瓜生勝(NHラボ)

            板の遮音特性  茶谷郁夫(NHラボ)

            吸音材 風間道子(NHラボ)

​第7回までの概要を以下に紹介します。

セミナー第1回「スピーカを吊る」

中島さんの挨拶から始まります。

音楽再生における不要な音(ノイズ)の見直しです。

特にこの回は再生機器ではなく部屋に再生された音に付帯する、スピーカと部屋のノイズです。スピーカは元の信号に無い音も出してしまいます。スピーカのキャビネット、置かれた台、スピーカの構造からくる付加音などです。部屋も追加の音を出します。壁の音、入ってくる外部音、反射音。これらの付加される不要な音を整理しそれを減らす工夫について述べています。また、スピーカの近くで聞く近接試聴に有利なスピーカとそのメリットについても説明しています。

 

弊社の卵形状スピーカがなぜ音場再生に優れているか、近接試聴に向いているかについてデーターで説明しています。

 

次が大切な所です。中島さんが“スピーカの作る音場”について説明しています。

まずスピーカのひずみについて概説し、検知限とハイファイに要求される1%以下を提示しています、スピーカの発生するひずみの原因を図示し今後取り組むべき改善項目を明確にしています。本来動くべきではない磁気回路やフレームの振動例を示し、ここの改善が大切であると示しています。 スピーカの再生する音場についても説明し、直接音の中に、付帯する振動が隠れていることを図示しています。 

 

次いで、不要な振動を減らし改善するための例としてキャビネットの角を取り、特別な寸法比を使った卵形状を上げています。

音質評価に良く使われる音像や音質の言葉の定義をし、特に音質に関し”自然界に存在する音源(実音源)は聴く人に自然な感じを与える“と説明しています。音像の質と大きさについても図示し、それを変化させる原因を整理しています。部屋の空間での反射波と経路について言及し、特にスピーカ側を吸音性(従来のライブエンド、デッドエンドと逆)としフロント側の影響を減らすよう指示しています、音像の形成に関しても整理し図示しています。

セミナー第2回 「スピーカの中を覗く」

スピーカキャビネット内部の状態を分析しています。

 

内部音圧は低域で高く何らかの吸音処理が必要であることを示唆しています。キャビネット内部の音圧特性を示し、キャビネット形状や吸音処理の効果を見ています。

 

振動加速度の特性を示し、形状、材質による変化も見ています。 

 

次いでユニット磁気回路上での温度変化を示し、温度変化が少なくなるような特殊なパラフィンを使用した例を示しました。 

 

外部音圧の下でのキャビネット内部への漏れ音特性も示し、振動板を含めた場合の遮音特性が良くないことを示ました。遮音を良くするためには重量のある丈夫な壁面が必要なことを示し、また球形キャビネットではコインシデンス特性が現れない事を示しました。

 

スピーカへ入力されたエネルギーの内98~99%は熱になり、音以外の振動エネルギーとして流れます。スピーカのひずみについても再掲し、信号依存ひずみとして変調ひずみをとり上げ、大入力や振幅の大きな低域での歪の大きさを示しました。

セミナー第3回 「エージング」

中島さんが商品化の体験を話されました。

 

出来たばかりのスピーカを楽音で鳴らし続けて馴染ませる。その時の音源は楽音に限りノイズでは駄目である、どうすれば良くなるかについて科学的、定量的な物差しは見当たらない、自然界の”ゆらぎ“がヒトにかかわることの解明に役立つのではと考えている、などエージングの効果について現場での経験を説明しました。

 

良い音とは何か、人により好みで違うのか? 一方で、みずみずしい、甘い、歯ごたえが良い、等と言う感覚も有る。生の音は良い悪いではなく新鮮である。機器の性能は使用時間につれてエージング効果で向上する。スピーカの場合、お酒の場合、人間の場合。何を評価すれば良いのか? エージング用のCDも商品やデモ品として存在しており、これも例として挙げています。

 

楽音の振動を利用して、音楽を聴きながらその振動により熟成させるソムリエと言う商品を出し、その効果確認実験の紹介や振動加速度振動特性を示しました。参考にした各地で行われている振動によるお酒の熟成例の説明と官能評価、ワインの糖度変化等も紹介しました。また水分子のクラスターに言及し、化学構造的も概説している。密度測定、味覚センサー、香りセンサーなどを利用した評価方法にも触れています。音楽振動の効果が評価され、音楽の新しい利用が拡大されることが期待されています。

セミナー第4回 「スピーカとアンプの相性」

中島さんが経験した、1960年代の半導体事情から、2000年に入っての1ビットオーディオにまで触れています。

 

デジタルアンプに関しは、第一通信工業㈱から、半導体パワーアンプの音質向上にどのデジタル方式が大きく寄与するかについての説明された。同社はアポジー社商品の試聴がきっかけで研究が始まり、DSP内蔵、真空管アンプ愛好者からも評価いただける音、PCMやDSDなども検討し、特に真空管アンプとの類似性を出力電流と電圧の関係から考察し、NFの周波数特性、出力時の内部特性変化量に着目しゲルマニウムトランジスタを使用している。

 

デジタルアンプは負荷によりポストフィルター特性を変えなければいけない欠点があるが、設計方法で対応することで解決している。

 

電源はオーディオ用DC/DCコンバーターの技術を使ったオーディオ用スイッチング電源を使用している。

発表後の参加者とのディスカッションでは、デジタルと音質、PCMとDSD、電源と音質について議論した。

 

最後に中島さんから辛口の提言があった。

10μsに100dB変わるオーディオ信号に対応できるか? NFBをデジタル処理し時間的トレードオフを最小にすべきである。聴覚にマッチするレベル計/測定法 が必要で、正弦波のような持続波での対応からの脱却をもとめる。聴取空間では騒音、振動、誘導、温湿度などによる、他システムへの妨害、他システムからの妨害が多く、まだまだ労力と経費がかかる問題である。

セミナー第5回 「響きを探る」

室内音響設計から、室内音響調整用の拡散ボード、さらには響きと音像の相反するキーワードの扱いや、ホールの響きについて説明しています。

 

ホールの設計では、音の障害を無くす重点事項、全席への拡散、響きの音質の調整などが留意すべき点です。

さらにフラッターエコーのある場合の残響時間測定例も提示しています。 

リスニングルームの音響設計では、施主の好みを確認し、外部に漏らさない対策、基本的に避けるべき障害、調整、と必要事項を説明しています。音声伝送性能評価(STIr)の概略にも触れています。経験上も残響時間が短い方が音声伝送性能が向上する結果となります(オーディオ的にも音の細かい変化を楽しむときはデッドな空間が良いようです)。

 

音場の設計として、現場は専門の施工業者に任せるしかないのですが、使い手としての個人ができることが有り、拡散音場、吸音材の配置、スピーカのセッティング位置にコツが有ります。エコータイムパターンにより反射波の影響を示しています。

 

吸音拡散体が音を整理し静かな音になることを示しています。同時に吸音拡散体の効果を位相差スペクトルや両耳間相互相関係数でも確認。新しい評価方法です。ついでリスニングルームで注意すべき点を取り上げ、低音の吸音、ノイズの低減、拡散は良い響きの材料で行う事を提示。拡散ボードは吸音ボード+拡散体の構成を推奨しています。

最後に中島さんが全体を整理し、“響きと音像”と“良い音”は相反するキーワードであることを指摘し、家庭で音を楽しむ時の大切な留意点としています。その関係を表で示し、直接音から20~30msまでの1次反射音とそれ以降の消滅までを別に考慮すべきと示しています。また音像と豊かさを分離してコントロールするのがベスト条件と締めくくっています。ホール容積と残響時間の分布、大ホールの拡散板の様子、反射音線図も示している。最後に家庭の試聴室に触れ、部屋寸法の8x5x3比率、発音側のデッドエンド化、聴取側のライブエンドを明確にし、鮮明な発音音像と聴取位置での響きを両立させる方法を提示している。

セミナー第6回 「デジタルを探る」

中島さんにデジタルの生みの苦しみから次の一手までお話しいただきました。

 

早くから通信の世界でPCMは将来性を見て進められていました。1963年に日米TV宇宙中継の成功によりデジタル通信に移行していきました。しかしオーディオ信号のデジタル化となるとなかなかOKがでない。試作機は大きく、重く、高く、操作性が悪く、良いのは音だけ。この欠点を解消するのがデジタルと説得。次にくるデジタル時代に向けての“中島さんの挑み”がその後の“CDの生みの親”と言わせた情熱に繋がります。家庭用ビデオデッキのPCMアダプターやデジタルソフト制作システムなどを発売し、周辺を固めていきました。

 

オーディオのサンプリング周波数はビデオ信号との関係で44.1kHzと決まっていきました。20世紀後半から半導体メモリーの記録容量も確実に伸び固体メモリーによるオーディオを期待させました。光ディスクで先行していたフィリップスとデジタルオーディオで先行していたソニーがその傘下ポリグラムとCBSでソフトシェア60%弱となることで手を結び開発をいそぎました。CDでの信号読み取り時のランダム、バーストエラーに対処するための誤り訂正に苦労しながらすすめました。

 

オーディオデータはリアルタイム再生ですので、演奏を止めずに補間で対応。コンピュータデータはリアルタイムで無いので、誤りが無いか有るかの2択で補完は出来ない。CDのサイズはSONY30㎝、16Bit, フィリップスは11.5㎝,14Bit。変調方式も訂正方式も違っていたので調整に難航。この時の苦労がその後も生きDVD,SACD,BDではさらに強力進化しています。レーザービットの読み取り深さもそれぞれ違っている。その後CDファミリーが発展していきました。

 

ハイレゾを楽しむために大事な点は何処なのか探ってみました。

デジタルと言えども最後はアナログですのでオーディオ的な?音を良くする工夫は大切で、振動、電源が大切になります。主な原因はジッターにありますので時間的ゆらぎが問題になります。ハイレゾを何処までやれば良いのかも大切な点です。そもそも音の急激な変化に十分対応しているかですが、10μsで100dBもの変化を考えると厳しいようです。

 

デジタルはダイナミックレンジが広く、周波数帯域も広くなりますが、可聴帯域をはるかに超えたレベルと、周波数は必要なのでしょうか?可聴帯域に合わせて上限で一致させて眺めて見ると深さ方向に余裕が有るように見えます。ハイレゾの音が緻密で、音場感が増し、エコーが良く聞こえ、柔らかく聞こえることを考えると、大きな音のダイナミックさよりも、小さな音の変化が大切に見えます。先ほどの瞬時に大きく立ちあがる信号を考えてサンプリングが十分か見てみると、もっとハイレゾの必要性を感じます。

 

PCMが良いのかDSDが良いのかの議論は尽きませんが、ひとまず置いておいて、中島さんは次の一っ手としてさらなるハイレゾか?実像再生か?時間軸を音楽波で覗きますか?と提言している。どこに定位させるかの両耳間音圧差と位相差は分かっています。基本のマイク設定も分かっている。しかし、音源数が多い場合のミックスダウンが問題。スピーカ解析における正弦波と楽音波は全く違う。オーケストラ演奏音のスペクトル分布でも高域でのピークファクターは非常に大きいです。

 

最後にスピーカを意識させない、振動でワインなどを美味しくするMusic Tray装置を紹介しました。

セミナー第7回 「キーパーツを見直す」

中島さんが3つの物差しを示しました。

 

眺めて:流れるような曲線、叩いて:透明な打音、触って:暖かい感触。 ひずみを非直線ひずみと音場ひずみと信号依存ひずみに分けて示しました。 卵スピーカを例に挙げ、振動支持系、振動対極、振動系と分けて対策を考えるとし、特に振動板とキャビネットの平滑化やキャビネットの変形球殻が有利であるとしています。ステレオ音像については実像と虚像の問題を示し、パッシブな虚像の実像転換を提案した。左右の壁での反射波はLRが逆になる成分が有り壁面傾斜や拡散体でコントロールすることを提案しています。短時間でも楽音のレベル成分は大きく、高域に向かってのピークファクターの大きさについて再度示しています。

 

次いで振動板について材料から制作まで概要し微細構造にも触れています。密度とヤング率分布図、ヤング率の周波数特性と内部損失特性も示しています。新しい環状高分子材料:スライディングマテリアルの塗布効果を示し高域の特性改善効果も示した。また振動板材料の温度変化も示している。相変化材料による定温化の例を示しています。

 

キャビネットの遮音特性向上についても触れ、キャビネットの場合、通常の質量則と同時に構造からくる剛性も考慮すべきと説明した。また曲面板の振動モード減少と各共振での損失のアップを示し、曲面構造の優位性を示した。支持系のリニアリティーについて、支持体の形状、変形量の場所による変化を示しました。支持系で注意すべき点を整理しました。キャビネットの回析効果についても触れバッフル形状、指向特性、バッフルエッジ形状、最初の谷特性の周波数図を示しています。

 

吸音材について、粘性によるもの、熱伝導と熱輻射によるもの、分子振動による吸収の三つを挙げ、吸音材による周波数特性の変化を示しています。

第8回 「耳よりな話」 2015.4.17

            耳よりな話  風間道子(NHラボ)

            音の聴こえに関するパルス発生 茶谷郁夫(NHラボ)

            生体音を聴く試み  高田寛太郎

            可聴範囲と聞こえ方の変化 中島平太郎(NHラボ)

第9回 「歩走遊究」 2015.6.1

            バーチャルな集いについて 中島平太郎(NHラボ)

            走り歩いて38年  中島平太郎(NHラボ)

第10回 「音像と遊ぶ」 2015.7.13

            音像と音場  茶谷郁夫(NHラボ)

            実験 拡散体  茶谷郁夫(NHラボ)

            音像の種類と音質の関係 中島平太郎(NHラボ)

第11回 「タイトルなし」 2015.9.4

            HATSを用いた最新の音響測定技術 稲永潔文

第12回 「タイトルなし」 2015.10.12

            最新の音響材料  瓜生勝(NHラボ)

            ハイレゾソースを聴く  茶谷郁夫(NHラボ)

            ハイレゾリューションオーディオ 荒木(バッファロー㈱)

            音像について(まとめ) 中島平太郎(NHラボ)

第13回 「タイトルなし」 2015.12.9

   ハウリング周波数特性  風間道子(NHラボ)

   たまごスピーカのチューニング  宮下清孝(㈱ジオン)

第14回 「よい音を聴くために」 2016.1.29

   よい音とは  中島平太郎(NHラボ)

   ゲルマニウムトランジスタアンプでたまごスピーカを鳴らす 相島(相島技研)

   真空管アンプでたまごスピーカを鳴らす 小林昭(小林サウンド工房)

   NHラボのNew Speaker 茶谷郁夫(NHラボ)

セミナー第8回から14回の概要を以下に紹介します。

セミナー第8回は 「聴覚にまつわる話」

聴覚の基礎から錯聴の話までの説明が有りました。

 錯聴では連続する音のある期間を無音にし、何も聞こえないはずの期間がどう聞こえるかの実験を行っている。その無音期間に雑音を入れると、連続していた音で補填され無音期間が聴きやすくなる実験は面白い。

 人間は音の立ち上がりに敏感である、音声の帯域別波形包絡には音声情報が含まれている、など音質評価、ハイレゾの音の違いなどに通じる説明がありました。どのように耳に入ってきた音を処理して認識するのか、簡単に整理しました。蝸牛での周波数分析、高い音が早く認識される工夫も面白い。

 FFTでは時間周波数解析に不確性原理の制約が有り、時間と周波数の両方の情報を同時に詳しく知ることが出来ない。ウエーブレット変換では高周波領域で時間分解能を高く、低周波領域では周波数分解能を高くした分析が出来るが、この処理は人間の聴覚に類似しているとの報告が有る。聴覚での神経発火頻度は振幅の大きい所で多くなる。その発火パルスの形は1bitデジタル信号の形と似ている。神経は無理に信号を早く処理したり、出力電圧を高くしたりせずにうまく行くように工夫されている。

 生体音は普通聞こえないようにしているが両耳を塞ぐなどすると聞こえる。その他にも呼吸音、筋肉音等も聞こえなくしている。

 可聴範囲と聞こえ方の変化について中島さんがまとめて図示した。可聴周波数の上限の加齢現象についてもふれ、70歳で数キロヘルツ以上での聴力レベル低下していることを示した。

セミナー第9回は 「歩走遊究」

少し振り返ってみながらの中島さんの提案です。

 初めに中島さんが”バーチャルな集い“の狙いについて説明。”ワンランク上の音を極めたい“ ”音と楽しく遊びたい“その為に、その趣旨のまま2つの集いを開設します。

 ”音を極める集い“は再生音の音質を左右するスピーカの音場ひずみの改善からスタート。

 ”音と遊ぶ集い“は楽音波を用いてスピーカのエージングからワインのエージングまで。音の楽しい応用を模索する。

 特に、オーディオについてのよろず相談はNHLスタッフへ相談ください。

 そのとっかかりの為に、やってきたことの紹介をしました。“たる形スピーカ”、上方向へ360度音を放射する”サウンドプロジェクター“、たまご形スピーカに筒状のウーファーを付けた”ブラックキャンドル“、たまご形のウーファーを相似形で作った”恐竜のたまごウーファー“、響測定用の”小型12面体スピーカ“。スピーカからの振動が悪さをしているので ”吊るしたスピーカ“などです。また、スピーカの磁気回路定温化、狭い部屋での壁面近くのスピーカセッティングを狙った“拡散・吸音パネル”、音像のセンター定位を狙った“拡散マッシュルーム”、話題のフラーレン形状を取り込んだ“フラーレン形状スタンド”、”エージング&インテリア“ 参考商品ソムリの効果実験説明、ワイン以外に、醤油、牛乳、水道水、みそ汁、更には観葉植物まで、ほぼ効果ありと結論しました。手のひらでの振動効果もやりました。ちなみに音の出る振動体に触った猫は結構興味ありの様子。

 最後に中島さんの健康の為に走り歩いた39年間の記録を紹介、駒沢のウオーキング公園一周所要時間の年ごとの経過です。速度と年齢曲線から宿命線を引いた。データーの処理方法も説明されました。

セミナー第10回は 「音像と遊ぶ」

音像と音場の関係、センター定位などの説明です。

 2ch再生で虚音像が方向と距離を持って定位することを確認した。また吉田理論として知られている、モノラルより、ステレオ再生が音の分離や豊かさ、臨場感、まで表現していると言う聴覚試験を紹介、正しい音場再生の必要性を再確認した。音場の拡がり感についてダマスケの研究が有り、相互相関係数の結果からスピーカの見込み角46度で拡がりが良くなるとしている。

 またBell研の独立通話路伝送実験を紹介し、2通話路で横方向の識別が良く、3通話路で横方向も奥行き方向も良くなるとしている。現在の2chから3chへの展開が楽しみである。

 拡がり感の定義として、“見かけの音源の幅”と“音に包まれている感じ”それと”音場を形成している室の大きさ“の3つでとらえるとしています。音での確認実験のために、センター定位のための例、吸音拡散体の例を試作し、確認試聴しました。

 中島さんは1次反射音と音像の関係を説明し積極的に反射による虚像の影響を減らすために拡散体を置くことを示しています。

 響きと音像のかかわりに触れ、20ms以内の直接音の増強と50ms以内の残響音、そしてー60dBまでの残響時間を図示し、響きへのかかわりを整理しています。両耳間の音圧と位相差も図示し、また両耳への時間差にも触れています。マイク間隔ゼロはスピーカ出力が同時に両耳に達するので自然な音場ではなくなる。ステレオ音場を作る場合の、録音時と再生時の音源からマイクの位置関係、スピーカから両耳への到達時間関係を説明し過渡域と定常域の聞こえ方にの違いを整理している。さらに、積極的に拡散体を使った拡がり感の補正、またセンター定位等に拡散体を利用した音場の作り方にまで触れている。

セミナー第11回は  「HATSを用いた最新音響測定技術」

ヘッドフォン、イヤホンの測定について説明が有りました。

 音圧測定技術から、HATS4500の開発、骨伝導、ノイズキャンセリング、ハイレゾそして今後の展望と進めています。

 またヘッドフォンの音圧規制問題にも触れ、最大音圧規定、再生音圧測定法、ポータブルプレーヤーの出力電圧測定法がフランスの国内法で規定されたと説明が有りました。ヘッドフォン、イヤホンの場合測定のための各種疑似耳/イヤーシュミレータ―が必要です。

 CENELECやIECで測定用標準プラットフォームを使用した音圧測定法が定められている。従来耳介モデルでの音圧周波数特性のバラつき例が示され、改良の余地が有りそうである。

 SAMAR HATS Type4500はIECの規格に準拠し改良されている。骨伝導デバイスの測定にも触れている。加振力毎の測定結果も示している。

 ノイズキャンセリングヘッドフォン/イヤホンの測定にも触れ、測定結果例を示して説明している。また測定用疑似拡散音場の満たすべき特性にも触れ、拡散音場と測定ポイント、基準点からの音圧差の満たすべき条件などをせつめいしている。

 ハイレゾヘッドフォン/イヤホン測定にも触れ、試作SAカップラーも紹介している。測定機器例を示し、カップラーの違いによるデーターも紹介している。

セミナー第12回は  「最新の音響材料、ハイレゾでの注意点、音像のまとめ」

最新の音響材料の紹介です

 最新の音響材料としては環動高分子ゲル構造のポリロタキサンを取り上げました。

 紙セルロースでは今後期待されるセルロースナノファイバーとバクテリアセルロースが繊維の細さと絡み合いの強さで面白い材料として紹介しました。密度とヤング率のグラフも示し、材料として良い方向に進んでいることを確認しました。

 高分子材料では分子鎖の長さを利用して、高速射出で配向させるとか、液晶ポリマーの配向を利用するとかの方法をしめした。

 複合材料用の素材についても触れ、フラーレン構造やカーボンナノチューブ、ウイスカー、フラーレンの製膜、カーボンナノチューブのCVC正方にも触れています。

セミナー第13回は  「ハウリングの測定とTGA卵スピーカのチューニング」

NHラボ 風間;

実際の部屋でハウリングの測定をしました。スピーカ位置、マイク位置を変えながら計算での定在波の周波数を参考にハウリング周波数を周波数と音圧レベルでグラフ化しながら見ていきました。

㈱JION 宮下氏

 TGA 卵形状の優れた音場再正能力を生かし、さらに良い音を目指してチューンアップの試みです。

 チューニング事項は、吊りスタンド、スーパーツイター追加、スピーカケーブルとコモンモードコイル、ラインケーブルとコモンモードハーモニックサプレッサー、電源・ノイズ対策、パワーアンプ、音源、DACと広範囲です。

 キャビネット全体の制振にPIEZONシートを貼り、吸音材を取る。低域の空気抜きの為にFb18Hzのチューブ装着。磁気回路に定温化ユニット装着。接続ケーブルを引き込み直接接続。ケーブルはリッツ線使用。LCRフィルター部品変更(2Ω、0.069mH、7.27μF)。スタンドの防振はPIEZONシート2重巻き付け。スーパーツイーターと‐18dB/octのフィルター(0.47μF、0.022mH、1.41μF)。

 Well Float Ringによる防振。コモンモードハーモニックサプレッサー。

 まとめとして、音質向上が確認できたが、ベースモデルの完成度高く対策のCPは低い、とのコメントもいただきました。

 低音のバスレフ方式は有効。周辺機器の調整で再生音の品位が高くなり、他では得られない音場再生が出来ている。卵スピーカの持っている可能性の高さを示している。特に軽量で剛性が高い卵形状キャビネットの重要性が確認できた。今後はたまご形状ウーファーの追加、サラウンド再生の応用、たまご形状スーパーツイターが期待される。

セミナー第14回は  「良い音を聴くために」

中島さん、相島技研さん、小林サウンド工房さん、NHLの説明です。

 まず、中島さんが“よい音“について、どう眺め、どこまで近づき、どのように近づけるかとしてアプローチする入口を示しました。

 スピーカがその中核であり、音場ひずみと振動、騒音の除去をする必要を説きました。

 時間と特性、NFBとサーボとDSP、響きと音像はそれぞれトレードオフの関係にあること。スピーカにおける相異なる現象の連続性と転換対応について。集中定数域からは、概念域、音圧レベル域におけるピーク波波形からランダム波形へ、キャビネット内部の特性と熱の処理、キャビネットの裏と表の音像の差、裏の音の処理、音の制作、再生、聴取、聴取室、スピーカ相互のマッチングにまで説明されました。

 スピーカのひずみを一つをとってもまだまだ解決されていない。振動板振幅特性、指向周波数特性、下限と上限の可聴範囲でのさまざまな問題を指摘されている。良い音を作るために留意すべき項目を図に整理され示している。

 相島技研からは半導体アンプを色々とやられた経験を生かして、最終的に選ばれたゲルマニウムトランジスタアンプについての説明と音出しが有りました。

 小林サウンド工房からは卵スピーカとの相性も良い、真空管アンプの紹介と音出しが有りました。

 NHLからはたまご形スピーカの特徴を説明。黄金比を使った形状、ユニット以外から音を出さない時間精度、広い帯域の正確な振動、広い指向性によるホログラム的音場感、フルレンジ一つで全可聴帯域をカバーする統一された音、などについて説明し新たまごスピーカの狙い、仕様などを説明しました。高域での特性の暴れも少ないし、何よりも指向特性が広くなっています。

第15回 「音源を覗く」 2016.3.16

           音源と空間 中島平太郎(NHラボ)

           音源と時間 風間道子(NHラボ)                        

           音源と形  茶谷郁夫(NHラボ)

第16回 「ハイレゾを楽しむ」 2016.6.8

           デジタルソフト制作システムを振り返る 中島平太郎(NHラボ)

           レトロハイレゾ:新たなオーディオの楽しみ方の提案。          

   アナログレコード+DSD+真空管=? 永木道子、森川悠佑(㈱コルグ)

           新たまごスピーカでハイレゾを楽しむ 茶谷郁夫(NHラボ)郁夫 (NHラボ)

第17回 「ハイレゾを覗く」 2016.7.13

           ハイレゾについて 中島平太郎(NHラボ)

        ハイレゾリューションによる音楽制作の魅力 高田英男(日本音楽スタジオ協会 会長)

       

第18回 「ヘッドホン・イヤホンを覗く」 2016.9.7

           ヘッドホン・イヤホンについて思う 中島平太郎(NHラボ)

           ヘッドホン・イヤホンの測定技術について 稲永潔文(㈱サザン音響)

          最近のマーケット情報 細尾満(㈱SNEXT)

第19回 「たまごdeサラウンド」 2016.10.19

           サラウンドについて ほか  中島平太郎(NHラボ)

第20回 「たまごスピーカのニューレシピ」 2016.12.14

   たまごスピーカのこれから  ほか 中島平太郎(NHラボ)

 

第21回 「リスニングルームでの吸音拡散」 2017.2.10

            たまごスピーカと吸音拡散体 茶谷郁夫(NHラボ)

   たまごスピーカを床置きにして鳴らす 新忠篤(フリーランス)

第22回 「電源の違いを楽しむ~太陽光パネル発電でもアンプ駆動」 2017.4.10

            アンプを駆動する電源の違いについて  茶谷郁夫(NHラボ)

   太陽光パネル発電でアンプを駆動する 須崎規泰氏(オーディオ研究家)

第23回 「最近のオーディオ技術から」 2017.6.14

          穴澤健明(ビットメディア顧問) 

第24回 「残響分離制御ユニットを用いたデモ」 2017.7.10

          穴澤健明(ビットメディア顧問)

第25回 「1ビットマルチチャンネル音源を使ったたまごスピーカ再生」 2017.10.6

     山崎芳男氏(早稲田大学名誉教授)

第26回 「平面磁界型ヘッドホンFinal-D8000 商品とその技術」 2017.12.8

           S’NEXT細尾満、谷口晶一  NHラボ 高田寛太郎

セミナー第15回は 「音源を覗く」

NHラボから音源と空間、時間、形の話をしました。

 中島さんが普通の聴取室としての基本条件を説明。一次反射音が音場に与える影響について説明して、音源側の虚像群、側方向の虚像群、聴取側の虚像群を分けて、その役割をしめされた。反射音の遅れ時間の効果も考え、聴取点側は拡散体で虚音像を作らない。音源側は吸音体で聴取点で音像を作らせない。側壁側は前後壁を分けて考え、反射音、音像の質をコントロールすると説明している。

 NHラボからは、聴取室で音源の種類や設置場所の変化で音色や音像の変化を感じる現象を調べた報告をした。また、コーンスピーカを四角いキャビネットに入れた場合とたまごかたキャビネットに入れた場合、TGAスピーカ(たまご形キャビネットに楕円凸振動板ユニット)での壁からの反射波の影響の違いを、時間差、波形の相関係数などで示しています。

 吸音材の有無による壁面の影響を測定し、中低域から中域までの相関の改善、音圧の乱れの減少、試聴による音の濁りを確認した。

代表的な居間、ホール、教会の音圧分布、指向性パターン(ハリネズミ)を示した。また、有名なムジークフェラインザールの各種特性から、その細かい音源分布の良さを確認した。また、ベラネクの著書に有るホールに響きと演奏の速度の関係にも触れ、作曲家がどこのホールで、誰の為に曲を作り演奏したかに触れ、これらにも注意を払う必要が有ることを確認した。録音時の部屋の形と再生時の部屋の形を眺め、十分相関しているか考えた。また、スピーカの放射特性、指向性にも触れ聴取時の音場の拡がりを考察した。

セミナー第16回は  「ハイレゾを楽しむ」

 KORGさんからNutubeの開発についての説明とKORGさんのソースを使って卵スピーカを聞いていただきました。

 Nutubeは蛍光表示管が3極構造であることから、それを応用し直熱双3極管楮を作り、低消費電力、低電圧駆動、高品質の利点を生かした優れたリニアリティーの電気特性を得ています。面白いデバイスです。

 また、中島さんからCD制作システムの説明もしていただきました。

セミナー第17回は  「ハイレゾを覗く」

 中島さんが超高域周波数でのMIC特性について述べ、ついで音楽制作の立場からハイレゾルーションの魅力を説明頂きました。

 中島さんがハイレゾについて説明された。光ディスクとレゾルーション、聴覚と楽音、生活音のスぺクトラムからは意外と多い40~50kHzまでの成分を示された。1982年ころの2ウエイ方式単一指向性コンデンサマイクのきれいな周波数特性と指向特性、また無指向性コンデンサマイクの高域特性の軸上特性とランダム入射特性の違い、マイクグリッド有り無しの特性をしめし、録音音場と録音成分を考えさせられた。マイクの固有雑音の機械系雑音と電気系雑音、総合雑音にも触れている。ついで空気吸収による伝搬距離当たりの減衰量を説明し、温度と湿度の影響もしめされた。

 ハイレゾによる音楽制作の魅力としてハイレゾで伝える音楽感動についてお話しいただいた。ハイレゾの各フォーマットの音質は音の基準が変わると言うことである。スタジオ録音制作の現場では基本96kHz/24bitで録音している。

 アナログの旧音源はデジタルでハイレゾ化を行う。録音現場の拘りは、目指す音楽(サウンド)方言を創り出す機材選択から始まる。デジタル技術を駆使した音創りを行う。フルデジタル録音システム、マルチマイク位相調整、ピッチコントロール・クロック精度を大切にする。

   ハイレゾならではの音表現力は、解放感、音場空間、音色感、高解像力、余韻感です。演奏者の感情・気・緊張感・・を音で感じれるようにしています。

 実際の録音素材で44.1kHz16bitとハイレゾ96kHz/24bitの比較試聴を行った。ついでDSD11.2MHz/1bitとPCM384kHz/32bitの音質体験も行いました。ハイレゾの可聴帯域での音質は、低域安定、音の芯、音色感、奥行き感にあり音の基本が改善する。超高域での音質は、解放感、透明感、艶にあり表現力が増すようです。

  今後の方向としては、PCMは96kHz/24bitでDSDは5.6MHz/1bitが推奨する提案としています。究極のハイレゾリューション/音世界はPCM384kHz/32bit、DSD11.2MHz//1bitを見据えています。この後、究極のハイレゾソースをデモし、音楽を表現する器が大きくなる楽しみを強調、器が大きくなることにより、音楽を伝える力が増すとしています。

セミナー第18回は  「スピーカとヘッドフォン、イヤホン」

 S’NEXTと中島さんに説明頂きました。

 ユーザーの声を聴いてみると、スピーカで本格的な聴取体験が無いとか、頭内定位についてもネガティブに捉えていないなどの意見が有った。ついでしっかりと調整した部屋でスピーカを聞いてもらうと、初めてスピーカの良さを知った、音場の意味が分かったとの事です。それでもイヤホン、ヘッドフォンの方が音楽と一体感が有り、音数が多く、良い音だと感じる方も多いようです。

 次いで市場動向に触れ、平均単価、価格別売り上げ、技術動向の説明も行われた。新技術としては耳の形をスキャンニングして最適な音にセットするとか、シェアー機能とか、次世代ノイズキャンセラ―とか、ウエアラブルとか、ヘッドトラッキングなどの説明が有りました。

 次に中島さんより特性の説明が有りました。イヤホンの特性として、速度形、変位形、制動付き変位形、基本的なスピーカとイヤホンの動作の違い、効果の違いの説明が有った。イヤホンは振幅が小さいのでひずみも小さく、音場がへばり付く(頭内に)欠点が有るが、今後のダミーヘッド収音などで新たな変化が見込まれる。また、ニアーフィールド再生の可能性も示唆されています。

 

セミナー第19回は  「たまごでサラウンド」

 中島さんからサラウンドの概要と留意すべき点の整理をしていただいた。次いでサラウンドのマイクアレンジを説明し、実際に卵スピーカでサラウンドを試聴いただきました。

 中島さんのサラウンド説明はSQ方式4チャンネルステレオから、5chマルチチャンネルステレオ、さらには22.2マルチチャンネル音響方式におよび、5.1chと22.2chの関係について、方向別の重み係数の説明をされた。またK特性フィルター(頭部を球体としてモデル化した、方向によらない数は数フィルター)、方向別の重み係数を使い22.2ch音響ラウドネスメーターの構成を図示されています。

 水平面内の音源方向と両耳レベル差、時間差の関係(ダミーヘッドによる測定)も図示している。到達時間差、スピーカの音場ひずみも再度説明され、音像の質と拡がりについて、正弦波とノイズを用い違いを図示されている。

 サラウンドを録音する為に色々な配置のマイクアレンジが採用されている。IRT-X、INA-5、W-A/B、等各種有る。オーケストラのホール収録のための5種類のサラウンドマイクアレイ、3種類のステレオマイクアレンジ、7種類のホール残響を収録するためのアンビエンス・アレイ等を比較出来る様な収録実験の報告も有り興味深い。Fukada Tree、Omni8、Double MS、Holophone H2-Pro(HOLO)、Decca Tree、Omni directionalmicrophones(3O)、5 Cardioids(5C)。アンビエンス用としても、HSQ-N(ear)、HSQ-M(idle)、IRT cross、OSQ-M(idle)、OSQ-F(ar)、Asahi 、C-Pair等多数ある。

 世界的のも評判の高いムジークフェラインザールの断面図とその測定例を示し、仮想音源の広く均一に分布している様子を再確認した。

 卵スピーカにより再生された5.1ch音場の拡がりを試聴すると同時に、たまごにわざと板を付け通常の角型バッフルをもつスピーカを使用した場合の音場の違いを確認いただいた。

セミナー第20回は  「たまごのニューレシピ」 

 中島さんによる音・振動分布、ランダム波によるスピーカ振動構成、小振幅時と機械系のひずみ例が説明された。ついで卵スピーカをよりおいしくする調理法が紹介されました。

 音・振動分布では可聴域の近くに生体音も有り、騒音、振動そしてひずみと感じる領域があること、そして楽音域が可聴域の外まで伸びていること、高域には不快音として感じる領域もあります。ですからわざわざ聞こえなくしている領域も有るので、再生帯域をうまく広げる必要が有ることを示しています。またランダム波によりスピーカの振幅を見ると通常の測定に使うサイン波入力と違い、ランダム波、ピーク波では高域の瞬時入力が予想以上に大きいことが示されています。高い周波数では小振幅ですが、小振幅時の非線形ひずみは大きく、解決すべきポイントです。スピーカの振動を見ても通常の振動以外にユニットには磁気回路にも、フレームにも共振がのっており、この点も解結すべき点としています。

 たまごスピーカのニューレシピとしてさらなるおいしくする改善点を取り上げた。以前宮下シェフにより、制振、内部音圧低減、ダイレクト接続、スーパーツイータ追加、LCRフィルター、による改良が行われました。オーディオ的にも改良のポイントは、振動、電源、電気伝導性能などです。聞く部屋のポイントとしては、低域吸音、遮音性能、拡散音の質向上、デッドフロントなどの点の改善を説明しました。拡散音をうまく利用することが大切なのですが、その拡散音の質が良くないといけないので注意が必要です。

セミナー第21回は 「リスニングルームでの吸音拡散」

NHLが部屋の改善について説明しました。

 拡散音は音を拡散すればよいのですが、そのときに響きの良い材料で行う事で質を向上することが出来ます。また多くの部屋の場合、中低域から低域の吸音が不足します。録音時の様子を考えると、音源から放射された音は部屋中に広がっていきますので、それをマイクで拾っても限られた間接音だけの収録となり、普通は拡散成分が不足します。

 スピーカで再生する場合を見てみると、スピーカーから出た音が回析現象などによりスピーカの角で再放射され、音源が多重化しそれに引っ張られて音場が小さくなります。バッフルの大きさにより、音源が大きくなり音像がボケることを図で確認しました。また壁からの距離も、音像の大きさ、壁からの反射音の大きさを考えると、経験上最低50㎝、出来れば1mほど離すと良い。これらの経験を測定で可視化することを目的に実験を行い結果を確認した。   

 回折効果の確認の為に回折の有り無しでの特性を確認した。スピーカの至近距離では周波数特性にさほど差が見えないが、時間変化では回折有りで音量の増加が見える。セッティング位置の違いを壁からの距離を変えて見ると、周波数特性に違いが出ており、壁に近い方が特性の凸凹が大きい。減衰特性も壁からの距離が大きくなるほど減衰が早く、影響が少なくなることが確認された。

 たまごスピーカの場合、指向周波数特性も0度から90度まできれいに広がっているのが分かる。20kHzで0度と90度のレベル差がほぼ10dB以内で良い特性であることがわかる。

 センター定位の補助と拡散吸音のための各種ボードも紹介し、拡散性可変の物も紹介した。スピーカを吊り下げた場合の効果についてもデーターで確認している。

セミナー第22回は  「電源の違いを楽しむ」 

電源の違いと太陽光発電でアンプ駆動する実験を行いました。

 電源の違いが音質に影響することは皆様良く知るところです。そこで先ず電源の素性を調べ、良い電源での音の変化をおさらいした後、音の違う理由が何か考えました。

 太陽光発電の電源が良い音質となることは経験しているので、等価回路を見てみましたが、意外なことに電流源のように見えています。鉛電池は内部抵抗を持つ定電圧源に見える。ニッカド電池も使われるのでこれも例として確認しました。次いで電源のノイズを測定し市販のDC電源のノイズの多さを確認した。太陽光パネルのノイズ、鉛蓄電池、充電コントローラーのノイズを確認した。太陽光パネルは意外とノイズが多い事が見れる。(音を聴いた感じはしっかりとした音でノイズに悪さを感じることは無い)

 次いで、太陽光発電を使ってデジタルアンプを駆動したまごスピーカを鳴らす実験を行い、音の良さを確認した。

セミナー第23回、24回は 「デジタル録音と最新技術、残響処理効果」

デジタル録音の先駆者ビットメディアの穴沢さんのご講演です。

 

 何時も穴沢さんの話は豊かです。スメタナ弦楽四重奏との思い出を皮切りにスタートしました。難聴とWHOのセーフリスニングに飛び、ライブなどで大音量暴露に遭遇した場合は即座に退席が重要と説明。レコーディングモニタールームではしばしば大音響でモニターしているが、それでは良い作品は生まれないと説明されました。オーケストラの演奏席でも金管楽器の前の席では大音量で耳を悪くする人も多い。

 1970年にスピーカの置き方で出来る音場再生評価の実験が行われ、効果的な配置が確認されている。

 ちょうどそのころ世界初デジタル録音のレコードが発売された。NHKのPCM/デジタル録音機が使用された。 

 レコードマスター用PCM/デジタル録音機の要求性能と達成された仕様が説明された。1972年頃、評判の良いデジタル録音として発売されたレコードであるが、初めは13ビットでダイナミックレンジは75dB  程度で有った。1980年頃は16ビットとなり、1990年頃から20ビット等の導入が始まった。1972年から92年にかけ世界各国でデジタル録音に対し賞が贈られた。

 ここで穴沢さんの大好きな名言 ”デジタルはジキタリスと知れ“。知らないで使えば劇薬、知って使えば特効薬と言う意味。

 パイヤールの意見も紹介、”モーツアルトとバッハでは響きが異ならなければならない“ ”それぞれに適した響きを持つ会場で録音すべきであり、その差異が家庭で分からないと意味が無い“。

 二人の師匠の紹介。ピーター・ブィルモースとエドアルド・ヘルツオーク。その録音秘話は面白い。

 またB&K社との新マイクロホン開発プロジェクトによるマイクも紹介。直接音でフラットか?間接音でフラットか?が面白い。これらのマイクを使用してワンポイント録音が行われた。多数マイクの場合、時間差を伴う他のマイクからの漏れが電気的に加算されると出力で櫛刃型フィルターが発生する。1985年にステージ上からの歌手の声と手前に有るオーケストラからの演奏の時間経過が客席上で同じになるように調整した、タイムアライメントミキシング録音が話題になった。

 直接音と残響音を分離するBM-1装置の紹介が有った。直接音と残響音のレベルが等しくなるステージからの距離は、大ホールで4~7m、中小ホールで3~4m、試聴室では50㎝~1m程度である。この分離装置を使った再生配置例の紹介が有った。各種のソースでデモ試聴が行われた。

 最後に、穴沢さんがやっておけばよかったと思うことの紹介が有りました。

セミナー第25回は 「1ビットマルチチャンネル音源を使った卵スピーカ再生」

早稲田大学名誉教授の山崎さんのお話です。

 音響信号のデータ変換と量子化雑音として量子化の手法を説明。ディザを加えることで量子化雑音を白色化するメリットを説明しました。次いで、ΔΣ変調の出力を示し、ノイズ分布を見ました。ΔΣ変調を用いたPCM方式とΔΣ変調を用いた高速1bit方式、ΔΣ変調を用いない高速1bit伝送のブロック図を示し比較をしました。多入力型ΔΣ変調器の例を示し説明されています。

 この後8chマルチチャンネルで横並びの卵スピーカを駆動し、素晴らしい音場の出来方を確認しました。奥行き、拡がり、定位が優れており印象的なデモでした。

セミナー第26回は 「ヘッドフォンD8000の技術」

S’NEXTさんとNHラボで開発の道のりの説明です。

 

 ヘッドフォンの開発目標として“開放感と量感のある自然な低音を実現する”とし、振動板の軽量化と駆動力の広帯域化を図り、後面開放と音響回路の最適設計を実現したと説明されました。聴感評価も大切にし、数多くのヒヤリングテストとデーターの測定による物理特性の確認を行ってすすめた。

 軽量フィルム振動板はダイナミック型振動板の1/3の重量を実現。ネオジウムマグネットの対称配置により駆動力をプッシュプルとし、鉄製ヨークなしの磁気回路とした。低域の大振幅によるひずみ低減のため、薄流体層による音響抵抗を活用した。

 磁気回路の設計にはFEM(有限要素法)によりマグネットサイズ、ギャップの検討を行い最適値を求めた。ダイアフラムの軽量振動板はコルゲーション付きで同心円状の良好な動きを実現した。低域の再生帯域が伸びたことにより低密度のイヤーパッドの使用が出来、開放感溢れたサウンドにつながった。

 ダイアフラムの低域共振で良好な制振を与えるため、等価回路とレーザードップラーによる振動測定を行い薄流体層による抵抗を付加することとした。薄流体層は静電型マイクロホンなどに使われている手法で、薄く軽い振動板の制御に向いている。

第27回目以降はタイトルのみ掲示で、概要は追ってご紹介します。

第27回 「中島平太郎さんの思い~音との付き合い70年」 2018.3.26

     ゲストスピーカー

第28回 「NHラボの最新情報」  2019.1.30

第29回 2019.3.2

            1.NHラボから 「中島平太郎の予測と現実」  NHラボ

            2.「音楽メディとしてのYoutube」  中島尚(元ソニー/スタートラボ)

            3.「手作りコンテンツによる未知体験の試行と公開について」 田中和彦氏(武蔵野メディア研究所)

第30回   2019.4.12

            1.「音楽ソフト制作現場」  田中三一 スタジオアトリオ

            2.「本当の?クライオ処理とよい音vs自然な音」  須崎規泰(オーディオ研究家)

第31回 「没入感オーディオ(Immersive Audio)の現状と制作の実際」 2019.6.7

                     沢口真生(UNAMAS レーベル代表)

第32回  「ホール録音現場でのノイズと音質対策」 2019.6.21

                     宮下清孝 (㈱JION)

第33回  「1bit 信号によるスピーカ直接駆動」 2019.9.4

                     早稲田大学名誉教授 山﨑芳男 

第34回 「ヘッドホン・イヤホンための音響講座」 2019.6.8

                  濱﨑公男(S‘NEXT㈱)

第35回 「良い音のアンプを見つけた」 2019.11.20

                  相島彰徳 (相島技研)

第36回 「ヘッドホン再生を楽しむ」     2020.1.15

                  稲永潔文 (サザン音響㈱)

 

<以下ZOOMmtgを用いたリモートセミナー>

第37回  「音響測定器」                 2021.4.2

                  福島裕一 

 

第38回  「PAのスピーカシステム・オプティマイゼイション」 2021.4.23

                  増旭 (オタリテック)

第39回  「イオンマイクロホン」 2021.5.13

                  秋野裕(オーディオテクニカ)

第40回  「コロナ禍と音楽」         2021.7.5

                  中島尚 

第41回  「バイノーラル録音」      2021.8.9

                  稲永潔文 (サザン音響㈱) 

第42回  「デジタル音源再生のノイズ対策」 2021.9.15

                   宮下清孝 (㈱JION) 

第43回  「プリアンプーアナログは永遠か」 2021.10.13

                   高松重治

第44回  「手作りコンテンツによる未知体験の試行と公開について その2」  2021.12.22

                   田中和彦 (武蔵野メディア研究所)

 

第45回 「マスタリングと新スタジオ」 2022.2.27 

                   田中三一( studio CHATRI )

第46回 「モニタースピーカ」 2022.3.25

​     宮下清孝(JION)、沢口真生(沢口音楽工房)